行くぞ甲子園


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23 August 2024

京都国際が初優勝 第106回全国高等学校野球選手権大会 8/23/2024




 *決勝は息詰まる投手戦だった。初の延長タイブレークによる決勝となった。初優勝を目指した関東一高はあと1点及ばず惜しくも準優勝に終わった。

この試合を見るまでもなく、甲子園の準々決勝以降に残るチームの投手は、総じてコントロールがいい。決して剛速球ではない。コントロールが自由自在な投手陣を揃えているチームが勝ち上がっている。中でも京都国際の2人の左腕はボールのコントロール、キレともに素晴らしい。タイブレークからマウンドに上った2年生の西村投手、立ち上がりこそ緊張が見られたが、注目すべきは最後の打者を追い込んだ外角の直球2つのコントロールの精度である。彼はまだ2年ということで来年も注目が集まりそうだ。


このタイブレークでの投手交代の裏には、京都国際の小牧監督の細やかな心配りがあった。「いきなり緊張のマウンドに上げるよりも、打席から入ったほうが投げやすいんじゃないか」まさにそのとおりだと思う。10回表、代打で出たこの西村投手は、バントのサインから自らの判断でバスターを決めて無死満塁とチャンスを広げた。その裏バント処理を誤るなど緊張が見られたが、それでもまず打席に立ったことで緊張も半減したはずである。あとは内野ゴロで一点を失ったがこれまで通りの切れのある投球で最後は三振で勝利をもぎ取った。

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決勝の舞台で、初めてハングルの校歌が流れた。前身が韓国系学校で、それを引き継いでいるものとのこと。正直違和感が無くもないが、日本の学校認可を得て日本人の入学を受け入れ日本語教育をしているとのことで問題がないどころか、選手には何の責任もない。全校生徒138人中野球部61人とのことで、選手にしてみれば野球学校に勧誘され入学しただけであろう。桜美林など英語の歌詞が混じった校歌もこれまで甲子園で流れてきたし、そもそもPLやクラーク、聖心ウルスラ、聖カタリナなど英名の高校も出場して来たがこちらは問題視されたことはない。あらぬことで懸命に頑張って栄冠を勝ち取った選手を傷つけることは甲子園を愛する人間のすることではない。甲子園はその舞台でプレーすることを夢見るすべての高校生のあこがれの聖地である。"KOSHIEN"は、英語にもなりつつある。筆者は日本を紹介する時に、もっとも誇れる文化の一つとしてKOSHIENを挙げている。それが一部の人権意識の発達していない未開人によって差別が横行するような大会に堕するならば、恥ずかしくて世界に誇れなくなる。一部SNSで見受けられる差別発言がもしここアメリカで問題になった場合、おそらくこの大会の開催自体が中止に追い込まれることだろう。世界の人権意識はそのくらい高い。

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ところで甲子園の決勝戦くらいは、タイブレーク無しの延長戦にならないものか。ビデオ判定の導入も含め高野連には真剣に検討していただきたいものである。この大会、明らかに誤審で勝敗がひっくり返った試合があった。その誤審で勝ったチームが優勝したらどういう騒ぎになったかを真剣に検討するべきだ。これでは勝ったチームも浮かばれないことになる。

またタイブレークの問題点は、高校野球は守備側の好プレーが次の回の打撃に運を持ち込んだり、逆に、バントの失敗など攻撃側のミスが次の守備機会に悪影響を及ぼすなど、とかく試合の「流れ」に大きく左右される競技であるところにある。よってすかさず伝令を送ったり、早めの継投をしたりしてその嫌な流れを監督は断ち切ろうとする(筆者にはそもそもこの「伝令」制度も疑問ではあるが。監督が試合中にグラウンドに出てきて助言したり抗議するのが高校野球精神に反するというのならば、すべての監督は選手間から選ぶようにしたら良い。監督が直接審判と話せないので、伝令の選手が何度も何度も審判と監督の間を行き来しているのは、外国に住む人間が初めて見たら想像を絶する異様さであろう)。そうこうして9回まで同点で来た試合の流れが、タイブレークの場合、ここでリセットされる。一人もランナーを許していない、ノーヒットで9回まで抑えてきた投手でさえも、味方の援護がなければ、延長戦で無条件で無死1,2塁のピンチを与えられてしまうのは、なかなかに酷な話ではなかろうか。


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初V引き寄せたバスター安打 サインはバント、「とっさに」自ら判断(朝日新聞)

 (23日、第106回全国高校野球選手権大会決勝 京都国際2ー1関東第一=延長十回タイブレーク)  必ず三塁でアウトにする。関東第一が仕掛けた勝負のバントシフトだった。三塁手と一塁手が、投球と同時に猛然と前に突っ込んできた。  史上初めて決勝でタイブレークとなった延長十回無死一、二塁。京都国際は9回無失点の中崎琉生に代えて、左腕西村一毅を打席に送る。「いきなりマウンドに上がるよりも、打席から立たせた方が投げやすいんじゃないか」と小牧憲継監督。サインはもちろんバントだ。  関東第一の米沢貴光監督もその意図を読む。「バント(への)対応のサインを出した」  バントの構えで3球を見送った西村は相手の動きを見て「バントだと三塁でアウトになる」と判断した。カウント2―1からの4球目。「とっさに切り替えた。内野の間を抜ければいい」とバスターで直球をたたいた。  「意表を突かれた」と関東第一の三塁手・高橋徹平。マウンドの坂井遼も「想定していなかった」。ライナー性の打球が高橋のグラブをかすめるように左前へ抜けた。無死満塁。ここから待望の勝ち越し点がうまれた。  「ずっと練習してきた」と西村。毎日、打撃練習の最初の3~4球は必ずバントの構えから打った。相手のシフトを想定した練習を何度も重ね、「状況に応じて打っていい」という考えが浸透していた。  小牧監督は「本当に大したやつ」と西村をたたえた上で、こうも言った。「ほかの子たちでもバスターをやったと思う」  勝負どころでサインだけに頼らず、自らの判断で動く。投げても今大会24回1失点で躍進を支えた2年生の機転が、京都国際の強さを象徴していた。(室田賢)

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