古川(宮城)は4-3で東北を振り切り、57年ぶり3度目の東北大会出場に王手をかけた。エース右腕の千坂優斗(2年)が6安打3失点(自責1点)で、地区初戦から6戦連続完投。女房役の3番・高橋寛太主将(2年)が逆転二塁打を放つなど、チーム一丸で29年ぶり11度目の4強に駆け上がった。
甲子園準優勝の秋田・金足農と同じ紫がチームカラー。さらに金足農エース吉田輝星(3年)同様、千坂が地区予選から1人で投げ抜いてチームをけん引。勝利の校歌も全員で上体を反らせながら大声で歌い上げる。今春就任した茂泉公己監督(44)は「ピッチャーの頑張りがすべて。技術的なことより、ここ一番で動じなくなって頼もしい」と昨秋からエースの精神的成長を認めた。
エースを引っ張る捕手の高橋主将の存在も光った。7回裏1死一、二塁から左中間を破る走者一掃の逆転二塁打を放って援護し「ピッチャーを助けたかった」と笑顔。甲子園での金足農・吉田の勇姿を見て、気の持ち方やギアの上げ方を学んだという千坂は「いい相棒を見つけた」とリード面でも高橋主将に感謝した。
創部98年目。秋の県大会は53年(昭28)に優勝の実績を持つ。高橋主将は「甲子園を目標にしているので東北大会出場は通過点。次で決めたい」と65年ぶり2度目の決勝進出を約束した。【佐々木雄高】

宮城県高等学校野球連盟