聖火がつなぐ命の重み 大崎の田村さん、リレー走者に 震災で長男犠牲、企業防災を訴え(毎日新聞)
「復興五輪」を掲げる来年の東京五輪。東日本大震災の津波で女川町の銀行に勤務中だった長男健太さん(当時25歳)を亡くした田村孝行さん(59)=大崎市=も県内を巡る聖火リレー走者に選ばれた。「息子の命を社会に生かす」と企業防災の大切さを訴える田村さんは「命のバトンと思って聖火をつなげたい」と意気込む。
七十七銀行女川支店の行員だった健太さんは、上司の指示で同僚と支店屋上に避難した。だが、津波は屋上にも到達し、健太さんら4人が死亡、8人の行方は今も分からない。田村さんはその後、健太さんの母校・専修大など全国で、「働く人の命が守られる安全な社会に」と訴え続けてきた。