第71回高校野球選手権宮城大会 二回戦(平成元年)
古川 010 000 000 |1
佐沼 001 100 00X |2
佐沼高校の左腕・冨士原と捕手・金野(志津川ー松島高校監督、現佐沼高校)は中体連の優勝バッテリーで、高校でも1年からバッテリーを組み経験豊富。最終学年でも秋季県大会ベスト4、春季県大会もベスト4、第4シードとしてこの夏の大会を迎えた。
対する古高は、2年生中心の若いチームながらこのシーズン22戦のチーム打率が.380という切れ目のない打線を誇っていた。また、春季県大会ベスト16で仙台育英に大敗したあと(10-3)、エース石ヶ森は外角カーブのコントロールに磨きをかけ、直前の練習試合でノーヒットノーランを記録するなど、波に乗っていた。
長年チームを率いた沼倉監督は過労で入院、代役として昭和46年東北大会準優勝時のサードで慶応義塾大学で活躍した佐々木監督とともに、打倒佐沼を目指して最後の練習を積んでいた。
冨士原は変則モーションから直球とカーブの球速の違う球種を投げてくる。古高打線はいい当たりはするのだが、すべて野手の正面をつくか、ポップフライをあげてしまうのは、カーブと速球の球速と高低さに眼が若干狂う為である。とにかく打ちづらい投手であった。
対する古高エース石ヶ森もコーナーに投げ分けるカーブが冴え渡り、シード校をわずか3安打に抑える完璧な内容。古高は冨士原に対してわずか2安打。立ち上がりの制球難を巧みに攻略できなかったのが最大の敗因となった。
古高も主将浅野を中心に、再三攻守で沸かせる場面もあったが、結果的に好投のエース石ヶ森を見殺しにする結果となってしまった。なお勝ち進んだ佐沼高校はこの夏も準決勝に進出。甲子園準優勝の仙台育英には打ち込まれたが、秋・春・夏ベスト4という安定した結果を残した。
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