行くぞ甲子園


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16 September 2023

古高激闘の記録(19) 古川 対 一迫商 vol.1 2003年(平成15年) 9/15/23

 


*この「古高激闘の記録」シリーズ、今回は、平成15年(2003年)の対一迫商業戦 (vol.1)をお届けする。一迫商業といえば、元々は野球の盛んな高校では無かったが、1995年に熊谷貞男監督の就任により強豪校に変貌を遂げた学校であり、2005年の選抜甲子園大会にも21世紀枠で

出場し、しかも東京の修徳高校に勝利した輝かしい歴史がある。初の県大会出場は昭和51(1976)年、初戦の相手は我が古川高校で0-7の惜敗、以後、平成7(1995)年の熊谷監督就任まで、ほぼ毎年初戦敗退している。中でも昭和58年から平成8年まで、実に14年連続初戦敗退したような学校である。

そんな一迫商業に熱血漢の熊谷監督が就任し、夏の県ベスト8に3回、ベスト4にも2度食い込むようなチームにしてしまった。しかしながらその一時栄華を誇った一迫商業も、監督の退任以降、元の弱小チームに戻り、近年では廃部したニュースが流れている。

なお、ここで紹介するビデオは、先の東日本大震災で亡くなられた田村健太選手(左サイドバー参照)が生き生きと躍動している貴重な映像でもある。どのような形を取っても、彼を知っている同級生、下級生など関係者、また遺族らの琴線に触れるこの映像を出していいものかどうか長いこと逡巡した。しかし、現役の後輩たちにも、彼のファイティングスピリッツ、しなやかなキャッチング捌きと頭脳的なリードなどが大いに参考になる部分があるだろうから、思い切って今回公開することとしたことをご勘案いただければ幸いである。

https://furuko-baseball.blogspot.com/2018/11/blog-post_16.html

平成15年(2003年)といえば筆者はもう長いこと母校の高校野球と関わりを絶って、大分距離を置いた東京で生活していた頃だ。その後輩たちの活躍に無関心であった私がなぜかこの映像を保持しているのも大変因縁深いものである。古高ベスト8の報を聞いて、すぐさま田舎の親父に録画を頼んでおいたのだ。

この年の古高は、好投手中鉢淳悟投手を擁し、硬い守備を誇り第5シードとして準々決勝に勝ち進んだ。この当時で140km/hを投げる高校生はそう多くはなく、映像でもかなりキレのある速球を外角いっぱいにテンポ良く決めている印象がある。加えて、この中鉢投手、特筆すべきは飄々としたそのマウンド度胸であり、ともすると無鉄砲にグイグイ攻めの投球をしそうなところを、女房役の田村捕手がうまく緩急のリードをしている感じである。

この年の古高はチーム力が高く、上位打線は大いにバットが振れている。中鉢投手は打者としても非凡なものがあり、この試合に敗れはしたが、久しぶりに古高を夏のベスト8へ牽引する大車輪の活躍だった。このメンツで準々決勝で散ったのは何とも残念の印象があるが、そこも古高の伝統、あと一歩がとてつもなく遠いのである。このあと一歩、あと一歩を俺の力でこじ開けてやるという意気に富む野球少年、古高は全国でも屈指の「甲子園未経験の歴史ある学校」としてつとに有名であり(参照:https://furuko-baseball.blogspot.com/2013/05/blog-post.html)、全国津々浦々、母校の校歌を一度でいいから甲子園で歌いたいOB/OGに溢れている。真のヒーローになるには、レールが敷かれた仙台育英に行くことではない、伝統ある古高野球部の門を叩いて甲子園への道を君の力で強引にこじ開けることだ。君一人が入部すれば勝てる。歴史を変えるのは君だ。今すぐ来い。

映像からもこの年のチームは伝統的な古高のユニフォームの着こなしもスマートであり、上手い野球選手はユニフォームの着こなしも格好よく見えるというのは事実であるように思う。筆者は近年の膝下までユニフォーム下を上げすぎて、紫の太いラインが見える格好は何とも不恰好な気がして好きになれず、現役選手らは、この当時の着こなしを勉強して欲しいものである。


古高vs一迫商_1 
古高ゲッツーでピンチを凌ぐ

古高vs一迫商_2

古高vs一迫商_3
4番中鉢の先制2塁打(打点1)、5番福原の右前打(打点1)、六番寺田の左前打、七番阿部の右前打(打点1)、古高4連打で一迫のエースをKO、3点を先取。

古高vs一迫商_4
一迫、ランナー2人置いて右中間へ適時打、中継がもたつく間に打者もホームイン、ランニング3ランホームランで一気に同点に追いつく。


田村健太選手の父、田村孝行様 提供

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