公立の古川(宮城2位)がセンバツ出場に王手をかけた。先発右腕の千坂優斗(2年)が2日連続の完投で秋田修英(秋田1位)を1失点に抑えた。
176センチ、77キロの体格から、最速137キロの直球、スライダー、カットボールなどテンポよく投げ込み相手打線を翻弄(ほんろう)した。「周りは21世紀枠候補と思っているかもしれないけど、あと1試合勝って、センバツに行きたい」と意気込んだ。


<秋季高校野球>古川快進撃4強 仙台育英はサヨナラ負け(河北新報)


 秋季東北地区高校野球大会は15日、秋田市のこまちスタジアムと八橋球場で準々決勝を行い、古川(宮城第2)が勝って4強入りし、初の甲子園出場へ前進した。仙台育英(宮城第1)は敗退した。
 古川は3-1で秋田修英(秋田第1)を破った。1-1の八回1死一、二塁、尾形の左前打と走塁妨害で勝ち越し。続く高橋涼も左前に適時打を放ち点差を広げた。主戦千坂は9安打を許しながらも要所を締め、1失点で完投した。
 仙台育英は花巻東(岩手第2)に5-6でサヨナラ負け。四回までに小濃のソロ本塁打などで5点をリードしたが、六回に追い付かれて延長戦に突入。十回、花巻東の武田にサヨナラ打を許した。
 ▽準々決勝

秋田修英(秋田)
   000100000=1
   00100002×=3
古川(宮城)

仙台育英(宮城)
   0104000000=5
   0003020001x=6
花巻東(岩手)
(延長十回)

<秋季高校野球>古川の主戦千坂 ガッツポーズ禁止だが「内心めちゃくちゃうれしかった」(河北新報)

 【評】古川が競り勝った。1-1の八回1死一、二塁から尾形の左前打と走塁妨害で勝ち越し、高橋涼の適時打で2点差とした。千坂は要所を締めて9安打1失点。秋田修英は好投していた西岡が八回につかまった。
 ▽準々決勝(こまちスタジアム)
秋田修英(秋田)000100000=1
古  川(宮城)00100002×=3
<2連投の千坂、球数少なく打たせて取る>
 古川が主戦千坂の好投で4強入りを決めた。「大会前に配られた資料に派手なガッツポーズは禁止とあったのでしなかったが、内心はめちゃくちゃうれしかった」と表情を崩した。
 2連投のマウンドは「球数少なく打たせて取ろう」と130キロ台半ばの直球にカットボールを織り交ぜてしのいだ。「守備陣がいいのでゴロを打たせればアウトになる」。初戦に続いてバックが無失策でもり立てた。
 57年ぶりの東北大会で、57年前に並ぶ4強入りを果たした。文武両道の公立校だけに、21世紀枠による選抜出場の可能性も大いに考えられる。それでもチームを引っ張ってきた右腕は「周りは21世紀枠じゃないと無理だとみているかもしれないが、次も勝つつもりで戦いたい」。実力で伝統校初の甲子園出場を決める覚悟だ。


公立の星・古川、57年ぶり4強進出 全力校歌で初甲子園へ“王手”(スポーツ報知)


◆秋季東北大会 ▽準々決勝 古川3—1秋田修英(15日・こまちスタジアム)
 準々決勝4試合が行われ、古川(宮城2位)が秋田修英(秋田1位)に3—1で競り勝ち、57年ぶりの準決勝に進出。1—1の8回に走塁妨害から1点を奪うなど、少ないチャンスをものにして、春夏通じて初めての甲子園出場にまた一歩近づいた。
 フラッと舞い上がったボールを船橋暖人右翼手(2年)がスライディングキャッチすると大歓声が起こった。初戦(14日)の弘前東に続き秋田王者・秋田修英と私立2校を破って57年ぶりの4強を決めると、古川ナインは体を反りながら“全力校歌”を披露した。
 今夏、甲子園準優勝の金足農が県大会を勝ち抜いた球場で、同校と同じ紫のチームカラー。3安打で勝利に貢献した尾形爽左翼手(2年)は「マネしていると言われますけど、金足農の皆さんが注目される前からやっていました。東北大会で2回も勝てたのは信じられない」。伝統の歌い方で体の中から喜びを表現した。
 再びミラクルを起こした。相手打線を千坂優斗投手(2年)を中心に我慢強い守備で1点に抑えると、同点で迎えた8回1死一、二塁で尾形が左前へ安打。二塁走者の小野広翔三塁手(2年)が三塁手前で相手三塁手と交錯しかけながら、本塁へ突入。一度はタッチアウトになったが審判団が協議し、走塁妨害で得点が認められた。攻めの走塁が実った形の小野は「迷いはなかった。(得点が認められた瞬間は)本当にうれしかった」と笑みを浮かべた。
 平日は1日2時間の練習。それでも勝ち上がれたのは先輩たちの教訓だ。今夏は4回戦で東北学院に延長12回5—6でサヨナラ負け。「先輩たちも力はあったけど、敗因に集中力の足りなさを挙げていた」と尾形。少ない時間で練習から集中力を高め、全力でプレーすることで、ミスを減らして勝利を呼び込んできた。
 1921年創部の伝統校だが甲子園出場はない。来春のセンバツは東北から2校の出場が確定しているため、決勝に進めば大きく近づく。準決勝(17日)の相手は常連校・盛岡大付だが、尾形は「(4強が)実力に見合う力か分からないけど、とにかく全力。少しでも勝ちに貢献できるプレーをしたい」と決意。同じ紫カラーの公立校が旋風を巻き起こした大舞台への切符をつかんでみせる。(遠藤 洋之)

日刊スポーツ

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