行くぞ甲子園


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17 August 2024

これぞ甲子園、魂揺さぶる熱闘、大社ー早実! 8/17/2024



 *これは書かねばなるまい。感動する名試合だった。快進撃を続ける島根県立大社高校が、強力打線の早実に延長11回タイブレークの末に勝った。「野球って最高だと思った」と大社のエースでさよならヒットを打った馬庭投手が試合後インタビューで言っていたが、まさにその一語に尽きる感動的な名勝負だった。

試合は、9回裏大社がスクイズで同点に追いつき、さらに1死2,3塁の早実サヨナラ負けの大ピンチ。ここで早実は外野を二人にしてレフトをピッチャーの横に守らせる執念の奇策に出た。その読みが物の見事に的中し投前横のゴロを左翼手が素早く処理、「レフトゴロ」ゲッツーに取り延長タイブレークへ突入。名門早実の底力を見た思いだった。

これまでの甲子園での試合をみても、延長タイブレーク制度は選手に過度の緊張を強いるため、守備の乱れによる自滅で試合が決することが多かった。ところがこの試合は、両チームの攻撃的な守備で延長タイブレーク後も数度、絶体絶命のピンチを完全に凌いだ。その精神力の高さは特筆すべきものがある。

11回裏、代打で出た大社の安松選手がサード・ライン上を転がってフェアグラウンドに戻ってくるような絶妙なバントヒットを決めた。神がかり的なボールの軌道で、なんでもこの安松選手はこの夏県大会も含めて初出場、この重要な局面で、立候補により代打に送られたという。それでこの最も難しいバントを一球で決めたのである。これで勝負あった。最後は馬庭投手が自らセンター前にサヨナラ勝ちを決める安打を放って試合を終わらせた。

9回裏、早実・名将和泉監督の勝負をかけたポジショニング

大社・安松選手の神業のバントヒット

試合後も球場の両チームを称える拍手は鳴り止まず、敗れた早実の和泉監督の笑顔が、この試合の凄さを逆に物語っていたようだった。まさにこれぞ高校野球、これぞ甲子園、である。

連日、敗戦後精も根も尽き果て崩れ落ちる選手が後を絶たない。グラウンドの土を両手で集めて持ち帰る選手の姿は今も昔も変わらない。試合後球場に一礼して去る球児たち。球児だけではない、いい大人の監督も涙する「甲子園」とは一体何であろうか。

元巨人の江川がうまいことを言っていた。プロ野球で投げる甲子園球場とは違った、春と夏の年2回だけ現れる幻の球場、それが球児の聖地、「甲子園」であると。

低反発バットの導入で俄然高校野球が面白くなったような気がするのは筆者だけではあるまい。昨今、過度の選手集めによって私立と公立のチーム力に開きがあったものが、昔のように投高打低の野球になり、接戦が目白押し、守備力を徹底的に鍛えれば、公立も十分チャンスあるような時代に突入したのである。

この大社ー早実のような名試合は、部員不足に悩む日本の高校野球界に少年たちを引き戻す力がある。勝ち負けを度外視して、両チームが死力を尽くして戦っている姿がカクテル光線によってドラマティックに映し出され、心より感動する凄い試合だった。この甲子園での「最高の瞬間」をぜひ古高球児にも味わって欲しいものである。


早実・和泉監督も感動の涙「今日の敗戦は監督を辞めても覚えている」死闘敗れるも「お互いの生徒が美しかった」内野5人ミラクル守備は「初めて」(デイリースポーツ)


 「全国高校野球選手権・3回戦、大社3-2早実」(17日、甲子園球場)

 早実が延長11回タイブレークの末、サヨナラ負けで、この日観戦に訪れた日本ハム・清宮幸太郎を擁した2015年以来の8強入りはならなかった。

 それでも聖地には勝者にも敗者にも大きな拍手が降り注いだように、心を打つ激闘だった。早実は九回、スクイズで同点に追いつかれたが、その後のピンチは執念で凌いだ。1死二、三塁の場面で1年生の左翼・西村を投手横に置き、内野手5人シフト。打球はその左翼手のところにゴロが飛び、一塁でアウト。思い切って生還を試みた3塁走者もアウトにし、併殺を完成させた。 和泉監督は試合後のインタビューで涙。「生徒たちは本当によくやった。60歳すぎてこんなに良い試合経験を経験させてもらえるとは。甲子園のナイターは美しかった。馬庭くんの魂のストレートにあと一本が出ませんでした」と、振り返った。内野手5人体制での西村の起用については「一番守備が安定している。スクイズだけはさせまいと思って。うまく彼のところにいって処理して、ホームタッチアウトもできた。予選からこういうのがあるよと練習はしていたが、練習試合を含めて試合では初めてだった」と明かした。

 激闘を終えて「お互いの生徒が美しかった。負けは覚えられてないけど、今日の敗戦は監督を辞めても覚えていると思う」と、うなずいた。


【甲子園】大社の秘密兵器・安松大希が神バント「サード側に決めてきます」サヨナラお膳立て (日刊スポーツ)

全国高校野球選手権:大社3-2早実>◇17日◇3回戦  大社の秘密兵器が、早実を窮地に追い詰めた。  11回無死一、二塁。打席には、県大会も含めてこの夏初出場の安松大希捕手(2年)が送られた。  石飛文太監督(42)は「あの場面で選手を集めて聞きました。『ここでバント決められる自信があるもの手をあげろ』と。そうしたら、安松は手を挙げて『サード側に決めてきます』と言ってくれたので、私は信じるだけでした」。  この夏初打席。安松は「とにかく決めるしかないという気持ちでした。監督さんが信用してくださったので、そこは自信を持って。貢献するしかないと」。2球目に合わせ、三塁線をなぞるかのようにきれいに転がした。「奇跡だと思いました」。そして一塁へ全力疾走。「自分も生きてやるという気持ちで走りました」。無死満塁という最高の状況を作り上げた。  自主練習で打撃練習の前に必ずバント練習をする。「人一倍やっていると思っています」という自負があった。出場機会がなくとも「自分は秘密兵器だと思っているので」とポジティブに過ごした。繰り出された隠し玉が、サヨナラのお膳立てをした。  大観衆が安松のバントに見とれたが、当の本人は「自分のおかげではないです。大社高校は守備のチーム。10回、11回の守備で流れを作ってくれたので、自分が決められたんだなと思います」と冷静な口調で振り返った。次戦に向け「出場機会は本当にわずかだとは思うんですけど、とにかく自分がやるんだという気持ちで」。秘密兵器は、虎視眈々(たんたん)と出番を待つ。【浜本神威】

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