*第75回秋季高校野球宮城県大会は東北高校が久しぶりに優勝。決勝で仙台育英を倒して育英の11連覇を阻止した。元巨人の佐藤洋監督に変わり、チームも一新、伝統の王者東北が戻って来たというところか。帽子のツバも黒に戻したようである。あのツバ白とストッキングの白の横ラインは、王者の風格たる荘厳さがあった伝統の黒縦縞の東北のユニフォームを知るオールドファンには大変不評だったようだ。ただ筆者に言わせれば、黒のストッキングの足首の切り込みはもう少し長くなければならない (↓こんな風に)。
東北の黄金期を背負った大魔神、佐々木主浩
新しい帽子の穴は黒のようだが、これは、佐藤洋監督の時代、大魔神佐々木の時代まで戻したと思われる。この帽子穴が白になったのは、おそらく昭和62年のしかも甲子園からだ(↓)。
昭和62年県決勝、帽子穴はまだ黒(背番号3 斎藤隆)
甲子園一回戦 対智辯和歌山戦(初出場)の若山監督。
帽子の穴が白に変わっている。
他校のOBの分際で東北のユニフォームを語るなと言われるかも分からないが、私の幼少期の宮城の絶対王者は東北高校だった。私も東北ファンの少年の一人だったのである。
もっと驚くのは、東北が坊主頭を止めた?ことで、花巻東などに続きこれが全国的な流れなのかも知れない。筆者は勿論、野球部=坊主という時代の部員で、(私の学年は)部員が少ないので長髪を許してはどうかという議論が先輩から出ると(同学年部員5人)、当時のキャプテンから「坊主が嫌なら野球部入らなくていい」と一蹴され、このまま次世代が入部しなければ廃部になるかもわからんという不安定さの中で新入生を待ったものである。
あれは確か、これも昭和62年の選手権宮城大会開会式であったが、当時の田尻高校の主将(長髪)が選手宣誓を引き当ててしまい大変困っていた様子がニュースで流れた。開会式当日、驚いたことにその選手宣誓役の主将は、「髪を丸めて」登場したのである。端的に言って、そういう時代であった。
この野球=坊主頭という伝統は、明らかに戦前の軍国主義時代の名残りであり、これまで延々と踏襲されてきたこと自体に驚きを感じるくらいである。実際、世界的に見ても(高校生に)このようなスポーツとは無関係の「髪型を半強制」するような伝統は無いのではないか。医学的見地からも、髪は元来頭部を守るクッションの役目を果たすので、頭部死球が下手すると命取りになる硬式野球では、むしろ積極的に伸ばした方が安全であるとさえ言える。
…まあしかし、真夏の汗だくのイメージがある高校野球は、坊主頭の方がなんとも清々しいという印象があることも否めない。一度しかない16−18の青春期に、坊主頭で野球に夢をかけるのも悪くない。
結局、強制はやめて、伸ばしたい者は伸ばし、坊主にしたいものは坊主にする、それが最も自然なことであると思われる。
東北12年ぶり優勝、仙台育英に競り勝つ 3位決定戦は利府 秋季高校野球宮城県大会(河北新報)
https://kahoku.news/articles/20220926khn000033.html
秋季東北地区高校野球宮城県大会は26日、仙台市民球場で決勝と3位決定戦が行われ、決勝では東北が2―1で仙台育英に競り勝った。東北は12年ぶり33度目の優勝。仙台育英の連覇は10で止まった。3位決定戦は、利府が7―6で仙台三を下して5年ぶり5度目の東北大会出場を決めた。
■ハッブス6回無失点の好投
【評】東北が競り勝った。三回1死二塁から鳥塚の右前打で1点を先制。さらに八回2死二、三塁から山田の左前打で1点を加えた。先発ハッブスは6回無失点の好投。秋本、根岸の継投で零封した。仙台育英は7安打を放ちながら九回に1点を返すにとどまった。
▽決勝
仙台育英 000000001ー1
東 北 00100001 × ー2
■「8割ピッチング」で臨む
11連覇を懸けたライバルとの接戦を制し、東北が12年ぶりの優勝をつかんだ。6回無失点と好投した主戦ハッブスは「9回を全力で楽しめたことが勝利に結びついた」と笑顔を浮かべた。
心掛けたのは「8割ピッチング」。試合前に佐藤監督に言われたといい「自分のリズムでゆったり力を抜いていけた」。1―0の六回、2死三塁のピンチでは「『抑えてやる』ではなく『守備、任せたよ』という気持ち」で一球一球を投じ、最後は最速145キロの内角直球で一ゴロに打ち取った。
七回からは今大会防御率0・00の2番手秋本が2回無失点でつなぐと、3番手根岸が九回の相手の反撃をしのぎ2―1で仙台育英を振り切った。
今夏の甲子園大会決勝は、練習の手を止めてチームでテレビ観戦したという。「ライバルとして悔しいという思いもあった」とハッブスは打ち明ける。全国王者を相手にこの日は投打で一歩も引かず、名門校の存在感を示した。
昨秋から県内無敗の仙台育英1強体制に待ったをかけ、3年連続出場の東北大会に県優勝校として乗り込む。目標は来春の選抜大会出場。縦じまのユニホームが躍動するほどに、チームはさらに強くなる。
(島形桜)
■仙台育英あと一打出ず
仙台育英は好機にあと一打が出なかった。二、三、六回は走者を三塁まで進めながら無得点。東北のハッブスと秋本を攻略しきれず、九回に3番手根岸から代打下山の適時打で1点を返すにとどまった。
「相手が一枚上だった。自分たちのつなぐ野球ができなかった」と無安打に終わった山田主将は悔やむ。過去の対戦からハッブス対策として高めの甘い直球に狙いを絞っていたが「球威が予想以上に上がっていた」と言う。橋本、尾形ら甲子園優勝メンバーの左打者も切れを増した左腕秋本のスライダーに苦戦した。
「自分たちが甲子園で戦っていた間、他のチームも確実に力を付けていた」と山田主将。東北大会に向けて表情を引き締めた。
■仙台三、追い上げ及ばず
【評】利府が逃げ切った。一回1死満塁から万城目の2点二塁打と亀谷の2点打で4点を先取。五回には亀谷の2点打、六回に万城目のスクイズで点差を広げた。仙台三は3-7の九回に1点差まで追い上げたが、あと一歩及ばなかった。
▽3位決定戦
仙台三 003000003-6
利 府 40002100 × -7
○…大幅な打順変更が奏功
前日の準決勝から大幅に打順を入れ替えた利府は10安打7得点と打線がつながり、仙台三に競り勝った。
打撃不振が続いていた不動の1番亀谷がこの日は7番で「気持ちの面で楽になった」。一回、万城目の2点二塁打で先制後の2死二、三塁、内角スライダーを仕留めて中前に運び、5試合ぶりの打点を挙げた。4-3の五回、再び1死二、三塁の好機で「一発打って曽我をもっと楽にさせたい」と今度は右中間三塁打で貴重な追加点を挙げ、先発曽我を援護した。
利府にとっては5年ぶりの東北大会出場。亀谷は「甲子園を目指し、一試合一試合戦いながら成長したい」と意気込んだ。
河北新報
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