行くぞ甲子園


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26 November 2018

古高激闘の記録(9) 「磐高2年連続甲子園へ (いわき民報 夕刊)昭和46年8月2日」11/25/18

*1971年東北大会決勝、磐城ー古川の当時の映像はなかなか見つからない。惜しむらくは、私が高1の時のTBCの「それいけ甲子園」だったか、「めざせ」だったか、夏の大会前に県内のチームを紹介する番組があって、その冒頭に当時の映像を流したのを記憶している。私はそれをVHSに録画しておいたが、いかんせん時代は変わり、そのテープも散逸・・・(どなたか当時の映像をお持ちではないでしょうか)。

 これはいわき民報の夕刊の記事。ちなみに田村投手は甲子園では決勝の1点が唯一の失点。古高も七回までパーフェクトに抑えられながら意地の1点を取っていることをお忘れなく。(関係ないけど、磐城には元老がいたのか。元老だけに、チームの力を見る眼は確かなコメントを残している。)  
 

宮城で東北、古川連破
夏の大会 通算四回目出場の金字塔

 尻上がりに本調子を出してきた磐高ナインが甲子園連続出場をかけた第五十三回全国高校野球選手権大会決勝戦は一日午後一時から、仙台市
の県営宮城球場に宮城県代表古川との間で争われた。試合は磐高の先攻で始まり、一回敵失に乗じて早くも二点を先取、鉄壁の守りと、田村主将の投打にわたる大活躍に、パーフェクトさえ予想されたが、7-1と一方的に古川を降し、前日の東北に続き宮城勢を連破、七日から十日間、甲子園球場で行われる全国大会に出場する。磐高の甲子園出場は三十八年いらい通算四回(春の選抜を含めると五回)となった。

四日朝平駅を出発 あす壮会行(xママ 壮行会の間違いと思われ)
 二日午前十一時二十五分の「そうま一号」でガイセンした磐高ナインを迎えた後援会は午後一時から、緊急役員会を開いて今後のスケジュールについて協議したが三日午前十時から磐高講堂で壮行会、磐高ナインの平駅出発は四日午後七時十四分に決まった。
 先発隊の三人が出発、五日午前十時から大阪の朝日フェスティバルホールで抽せん会が行なわれ、昼ごろまでには第一試合の対戦高がわかる。
 七日が開会式、試合開始だが、五日の抽せん会による組み合わせを見て、試合の前日にレギュラー応援団やブラスバンド約五十人を派遣、さらに一般学生応援団、社会人、後援会を募集し、戦況の進み(略)方針。
 大和田市長もいわき市から甲子園出場校を出したこと、とくに市長の母校でもあって喜びはひとしお。第一試合には公務が許せば甲子園球場にかけつけて応援したいと力の入れよう。同時に勿来工の善戦をたたえていた。
 磐高の西宮市での宿泊所は(以下略)。

優勝旗先頭に磐高帰る
 宮城の王者古川を圧倒して、通算四度目の甲子園出場を果たした磐高ナインが、二日午前十一時二十五分平着の”そうま一号”で元気に帰ってきた。須永監督を先頭に、高野部長、田村主将らが真っ黒に日焼けした顔を見せると、待ちかまえていた約五百人の市民から、いっせいに「よくやった」の声援が飛ぶ。続いて、二発、三発、威勢よくクラッカーの音が鳴りひびく。やがて、群がるファンを押し分けるように平安橋に勢ぞろいして、歓迎式にのぞんだ。
 始めに豊田要三校長が「暑い中を本当にご苦労さんでした」と選手を激励、かけつけた大和田市長は「伝統と練習の力で栄冠を勝ち得たことは本当に喜ばしい。甲子園でも三十三万市民の期待にそうようがんばってほしい」と激励した。
 須永監督が健闘を誓った、あと殊勲の田村主将は「夢中でやった結果が、東北大会で優勝しました。甲子園に行くからには、期待にそうようがんばります」と力強く述べ、平一中生徒会から花束が贈られた。

日本一になるチャンス
磐高元老 阿部政右衛門翁
去年と比べたらむしろいい。ピッチャーがとくにいい。絶妙のコントロールで、ピンチになっても少しも動じない。ピッチャーの第一の資格は大胆で判断力がいいことだが、田村投手は正にピッタリ。ことしは日本一になるチャンスだと思う。春からこんどの東北大会へと上り調子なだけに、このままの状態を保ち、さらに甲子園の雰囲気にのまれさえしなければ優勝も夢ではない。技術の上での甲乙はないから持てる力を十分発揮して戦い抜いてほしい。ことしも甲子園まで応援に行きたいのだが、もう年だし、それは子供たちにまかせ、うちでテレビを見ながら応援します。

最高のできを甲子園でも・・・
須永監督の話
 県大会、東北大会と通じてこの試合が最高の出来だった。とくに田村は百点の出来だったが、正直いって、こんなに勝てるとは思わなかった。良くても3-0くらいと予想していたが、打線もいいところで打ってくれた。
 甲子園でもこの調子を尻上がりに出し切ってがんばりたい。

甲子園でもただ全力を出す
田村主将の話
 六回ごろになって完全試合を意識した。しかし、七回に菊地に打たれてかえってホッとした。打撃も好機に打つことができて、四番打者の責任を果たしたと思う。甲子園でも、ただ全力を出すばかり。



田村投打に活躍 対古川
決勝
磐城 200 010 400|7
古川 000 000 001|1
 
試合開始のサイレンが鳴り終わるか終わらぬうち、一番の先崎がいきなり一塁線に見事なバントを見せた。一塁手は不意をつかれて落球。動揺した沼倉は、船木に死球を与え、早くも一、二塁のピンチ、だが先崎は、二塁制けん(ママ けん制)に刺されて、一瞬好機を失ったかに見えたが、すかさず船木は二盗、松崎は二塁飛球に倒れ二死となった。問題は二死から力を発揮する磐高だ。田村は見事に中前にたたいて一点を先取した。磐高らしい見事な速攻。打よりも守りを誇る古川の内外野は、完全に浮足立った。ここで阿部も三塁エラーに生き、すかさず二盗、この間田村は、一瞬のスキをついて本塁をとった。目のさめるような速攻に、一塁側に陣取った磐高土手クラブの大応援旗は激しくゆれ、やんやの声援が飛んだ。
 一方磐高の大黒柱田村は、得意のカーブ、シュートを左右いっぱいに自由自在に決め込んで、完全に古川打線をホンロウした。七回二死まで無安打、スタンドの興味は、完全試合になるかどうかにかかって来た。しかし七回表、(ママ 実際は七回裏)古川の三番菊地が強引に右前、完全試合の夢は絶たれた。が、文字どおり快刀乱麻の切れ味を見せるピッチングに六回まで外野飛球一本、痛烈な当たりだったが、松崎の好守にはばまれた。内外野とも、鉄壁の守備陣が、田村の好投をさらに盛り上げた。
 五回には船木が一塁前に見事なバント、一塁ベースはがらあき。ちょっとしたスキにつけ込む見事な攻撃だ。さらにこの回、四球をはさんで田村が、またしても中前にたたいて三点目。田村の投打にわたる活躍が光った。それにしても磐高の攻撃は、バントするかと思えば強打、強打するかと思えばバントといった具合で、実に多彩な攻撃だ。さすがの古川沼倉投手も、キメ細かいバントのゆさぶりに、すっかり疲れたといった感じで、七回には磐高の集中打をあびて降板、この回岡田、船木、松崎が三連打した満塁からまたまた田村が痛打、さらに、宗像の三塁強襲打などで決定的な四点を奪った。
 だが古川も宮城代表、最後までねばる。四球の走者を二塁において、スタンドからは「どうしても一点を取れ」と盛んな声援がわく。ここで中鉢が三遊間を破って待望の一点を返し、かろうじて完封はまぬがれた。祭gの左飛球が若尾の手に納まった瞬間、一塁スタンドから紙テープが乱れ飛び、二年連続、四度目の甲子園出場は決まった。

勿来工が接戦惜敗
最後まで古川を追撃
◇第二試合=準決勝
古 川 012 115 010 |11
勿来工 030 100 210 |7
(古川)板垣、沼倉ー中鉢正
(勿来工)佐藤多、斎藤ー高野
▽三塁打=沼倉(古)、牛久保(勿)、佐藤多(勿)▽二塁打=秋保(古)▽暴投=佐藤多(勿)2▽捕逸=高野(勿)3、中鉢正(古)1▽妨害出塁=佐藤多(中鉢正)
 初回は両軍ともまずまずのすべり出し。しかし、二回、勿来工・佐藤多は大きく乱れ、3連続四球を与え、無死満塁。佐々木徳がスクイズして古川先取の1点をあげた。ところがその裏、古川・板垣投手の乱れをついて勿来工は3点をあげ、あっさり逆転。しかし、佐藤多に調子が出ず、三回に2点、四、五回に各1点と逆襲された。さらに七回、古川は中鉢豊の中前打を突破口に、3四球と2連続スクイズで大量5点を奪い取った。この失点が最後まで響いた勿来工は、それでもなお反撃を展開、四回1点、七回に2点、八回1点と得点を重ねたが、結局11-7で惜敗した。
 東北大会初出場、しかもバッテリーは二年生とあって大試合の雰囲気にのまれたせいもあるが、敗れた勿来工ナインに、スタンドからは健闘と今後の活躍を期待する大拍手が続いた。





2 comments:

  1. お疲れ様でございます。2018年11月28日(水) 考査中の部活停止期間を終え、なおかつ21世紀枠宮城県推薦状が古高野球部に伝達された本日、練習を拝見してまいりました。今日も心にスキのない一致団結した集中極まる活気に満ちた練習でした。今日はさらにKHBさんの取材が来ており、大先輩の古高出身のスタッフさんと少しだけお話しさせていただきました。来年の3月に放送される「めざせ!頂点」の取材でした。古川高校野球部のお世辞でも恵まれてるとは言えない練習環境についてもお話させていただきました。いい番組になることを期待しています。以上練習見学後記でございます。

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    1. なるほど。情報ありがとうございます。もう古川は寒いでしょうね。しかし大舞台があるかもしれないんで、選手は燃えていることでしょう。あれだけやったのだから、と思える時期が「今」なんで、なんとか遠くをみて頑張ってほしいものです。

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