行くぞ甲子園


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04 February 2019

Trick play



イチローもたまに見せるトリックプレーであるが、
個人競技と違って、対戦相手のあるBaseballの場合、相手を動きでだますことが可能である。騙すというと聞こえは悪いが、立派な戦術のうちである。

これは、以前紹介したS63の宮城県大会準決勝、仙台育英vs東陵の強豪対決の映像であるが、東陵の捕手に注目してもらいたい。

通常、ランナーは、後ろを振り返ってボールが今どこまで来ているかを見ている暇はないので、サードランナーコーチや周りの声を頼りにするとともに、

実は無意識に判断材料としているのが相手選手の動きだ。

セカンドランナーがワンヒットでホームに返る場合、キャッチャーが捕球態勢に入れば、ボールは帰ってきており、タイミングはギリギリだと判断する。

ところが、キャッチャーが捕球態勢に入らず、ベースを空けるようなかたちで一、二歩前に出たら、返球は来ておらず、下手するとスライディングなしで悠々帰れると判断してしまう。場合によっては、体力温存のためにスピードを緩めてしまうかもしれない。


そこを逆手にとって、返球が来てないような素ぶりをしてランナーを刺そうとしたプレーがこのプレーである。その直後、仙台育英の竹田監督が何か部員に叫んでいるが、こういうトリックに注意しろと言っているのであろう。

高校生は、なんでもかんでも捕球態勢を低くして、声で「ここ来い!」と示すように指導されるが、時と場合にはそれはむしろ相手に状況を安易に教えてしまっているのである。

こういうプレーは普段から意識して練習していないとできないので、当時ここまでやっていたとしたら、さすがに甲子園に行く強豪・東陵高校である。1、2歩かるく前に出ればもっと効果的だったかもしれないが、だまされずに全力で滑り込んで帰ってきた仙台育英のランナーもさすがだ。これも普段から緩めないベースランニングを鍛えられている賜物であろう。

名門校は少なくともこういうところまできめ細かに野球を研究している。また、ひとつひとつのプレーを検証すれば、もっと無意識に相手選手の動きを判断材料として瞬時に行動しているプレーはあるはずで、違う策略(トリックプレー)を見つけられる可能性もある。

強豪に勝つのは並大抵のことではない。

参照:
https://furuko-baseball.blogspot.com/2011/08/blog-post.html



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