*現役部員の諸君、イチロー選手を呼ばないか?
各地の高校生を指導して回っているイチロー選手はまだ宮城の高校には来ていない。
おそらく、彼を訪問に駆り立てる一つの基準は、
「野球への情熱」である。
こればかりは、外野のマニアックなオヤジがいくら言っても役に立たない。現役選手、ひいては現場監督、コーチの熱い想いが必要だ。
まずそれが前提にあれば、外野からも出来ることはある。この点について、最近応援団長の田村様と話し合っていた。全国に支援者、ネットワークのある田村さんと、まあ、ただの野球オタクではあるが、アメリカ在中のこの私と、もし選手を含めた現場が本気ならば、こちらも本気で何らかのアクションを起こしたい、という意見の一致をみた。
古高が強くなるためには、大海を知ることが一番の近道、県内の私立どうのこうのとセコいことを言わず、世界の超一流の技術をまず目の当たりにしたらどうだろう。
なんにせよまず、個人個人のメッセージを書いてみないか?もちろん、監督の了承があることが大前提ではあるが。
それで万が一、イチロー選手が来ることになったら、地域の少年も広く参加してもらう野球教室にすればいい。部員不足に悩む高校に、イチロー選手が来ること以上のインパクトは無い。
「古高にイチローが来る!」「古高第二グラウンドにイチローが来る!」
→「まず古高に行ってみよう!」
これだ。
現在は冬で指導も限られるかも分からないが、筆者は古高野球を変える可能性があるのは走塁面での意識改革だと思っている。強豪相手に次々に盗塁を試みる新しい野球のスタイルだ(このブログ一つ前の投稿、広島商の戦術を参照)。走塁は冬でも関係なく十二分に練習できる。間違いなく断言できるが、いくら鈍足でも、きちんと科学的に分析した走り方をして、冬の間に走れば走るほど、強肩捕手でも勝負できる脚力にはなる。まして、イチロー選手にしか分からない、彼にしか伝えられない世界最高の技術がある。むしろそれに時間を割いてもらうのが得策だと考える。
*余談になるが、筆者はイチロー選手がややスランプに喘いだ2009年の第二回WBCの後半、アメリカラウンド、キューバ戦から決勝まで全ての試合をフルイニング現地で見た。当時私は国内在住の身であったが、WBC見たさに仕事を休んで渡米したのである。私が行ってからは、スランプが嘘のように彼は本来の姿を取り戻した。決勝の韓国戦、最後のセンター前の決勝打は、固唾を飲んで静まり返った一瞬を、スローモーションのように切り裂く見事なライナーの軌道としていまだに脳裏に残っている。
また、シカゴのUSセルラーフィールドでおこなわれたホワイトソックス戦では、おそらく彼のメジャーでの唯一の2打席連続本塁打を目の前で見ている。また、ヤンキース時代、松井秀喜選手の引退時代をヤンキースタジアムに見に行ったが、この日先発出場したイチロー選手は、広角に打ち分け4打数4安打を放った。手前味噌だが、私が観戦した試合のイチロー選手の打率は、彼の高校時代の打率(7割5分くらい?)並みである。
そのような縁(?)で、私と田村団長で必ず選手の熱い思いをイチロー選手に伝える方策を考えるから、現役選手、熱い思いをまず個人個人書いてみないか?
ただし、とびきり熱い甲子園への思いでなければダメである。

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《独占インタビュー》イチローが屈指の公立進学校をサプライズ訪問! なぜ高校生を教えるのか?「厳しさは必要です。愛のある厳しさが…」(Number)
https://number.bunshun.jp/articles/-/857386
オフの高校野球指導では、公立の進学校に赴いた。イチローがそこで高校球児に伝えたことは、野球の技術だけではない。野球を教えて、考え方を伝えて、生き方を届ける――。現代の子どもたちを取り巻く状況を踏まえて、大人は何を伝えていくべきか、切実な思いを語った。
現在発売中のNumber1072号掲載の[スペシャルインタビュー]イチロー「愛と厳しさの高校野球指導」より内容を一部抜粋してお届けします。【記事全文は「NumberPREMIER」にてお読みいただけます】
――神出鬼没のイチローさん、高校指導3年目となる昨年は、東京都立新宿高校、静岡県立富士高校の2校をサプライズで訪問しました。たくさんの高校がイチローさんの指導を希望している中、この2校を選んだのはなぜだったんですか。
「興味をもったのは、2校が野球を通じた地域への普及活動に熱心で、積極的な活動を続けていると聞いたからでした。今の時代、キャッチボールをする場所を見つけることすら大変で、僕が子どものときに練習をしていたグラウンドも今ではカギがかかっていて、許可を得なければ中に入ることもできないそうです。そんな現代に、野球をしている高校生が地元の幼児や児童に野球を知るきっかけを作ろうとしている……しかも彼らは進学校の生徒で、自分たちも野球にあてられる時間に制約があるんです。それでも地域の子どもたちのために野球の魅力を伝えようとしてくれているなんて……とても感銘を受けましたし、応援したくなりました」
――指導1年目は智辯和歌山へ行って、翌夏の甲子園で優勝。2年目は國學院久我山、千葉明徳、高松商業へ出向いて久我山が春の選抜でベスト4、高松商は夏の甲子園でベスト8という結果を残しました。イチローさんが来れば勝てるという空気になっていることについてはどう感じていますか。
「最初に智辯和歌山へ行ったのは、僕が一方的にファンであったことはきっかけとしてありますが、本気で甲子園での優勝を目指している高校を見てみたいという気持ちからでした。翌年は、『これまで越えられなかった壁を越えたい』という想いを届けてくれた高校へ行きましたが、その中で國學院久我山と高松商業が甲子園でベスト4とベスト8、見事に結果を出してくれました。もちろん僕が関わったからといって、すぐに結果に直結するものではありません。でも、こうしていくつかの高校が結果を出してくれたことで、野球が強いか弱いかを意識して訪問先を考える必要はなくなりました。だからこそ3年目は新宿高校と富士高校へ行くことが叶ったと思っています」
「文武両道は理想です。僕もそうありたかったけど、まるで叶いませんでした。野球では実際にはほとんどのチームが地方大会の1回戦、2回戦で消えていくわけですから、そういうレベルの野球がどんなものかを知りたい気持ちもありました」
――新宿高校と富士高校でそれぞれ2日間、指導してから少し時間が経ちましたが、今、改めて感じているのはどんなことですか。
「その後、富士高校の子どもたちからは手紙が届きました。興味深かったのは、その手紙の中に『思い出』というワードを書いていた子が1人もいなかったことです」
――それは「いい思い出になりました」といった類いの言葉のことですか。
「思い出で終わらせてしまったら残念だと僕は思っています。じつは2日目の練習が終わったあと、富士高校から色紙の寄せ書きをプレゼントしてもらったんですが、そこには『思い出』というワードがかなりありました。あの色紙は2日目の練習前に準備してくれていたもので、寄せ書きのスペースでは一言しか書けないから仕方がないところもあります。でも2日間を終えて、それなりの想いをつづれる手紙となったら、『思い出』で片づけている子はいなかった。それは嬉しかったですね。手書きの手紙ならではの想いが十分に伝わってきました」
――みんな、手紙にはどんなことを書いてくれていたんですか。
「明確に未来を見据えている子もいましたし、ぼんやりしている子もいました。いずれにしても、多くの生徒が『僕たちは困難に遭遇したとき、最後のノックを受けた瞬間のことを思い出します』『あのノックのことは一生、忘れません』というようなことを記してくれていました」
あのノックを受けて、知らない自分に出会ったのでは
――最後のノックというのは、2日目に行なった“捕り10”(ゴロを10本捕るまで続ける、ただし8本目からは3本続けて捕るまで終わらない)のことですね。
「あのノックは打っている僕もきついんです。使ったのはノック用の軽いバットではなく、試合用のバットで、翌日はまったく動けませんでした」
――結局、富士高校では全員に10本捕るまで、449本ものノックを打ち続けました。
-------------------------------------------------------------------【高校野球】イチロー氏が大阪・大冠高校で指導 強烈なイチ流ゲキ&大阪名物の「粉もん」焼きも実演 (スポーツ報知)
https://hochi.news/articles/20241110-OHT1T51175.html?page=1
日米通算4367安打を記録したイチロー氏=現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=が9、10日の2日間、大阪・高槻市の大冠(おおかんむり)の野球部を臨時指導した。高校生の指導は2020年の智弁和歌山を手始めに5年連続9校目。同部の選手全員から手紙が届いたことがきっかけで、初めて大阪の高校を訪れた。
大冠は17年夏の大阪大会で準優勝した公立校。「手紙から情熱は伝わってきた。しかし、自分たちの現在地や強豪私立を倒して勝ち上がることの難しさをどこまで理解しているのか。聞こえのいい目標を持つことで満足してしまっていないだろうか。彼らの覚悟と正しいアプローチができているのか、そこを確かめたかった。『強豪私立を倒す』という目標を掲げる公立校の本気度を厳しい目で見てみたい、その思いで訪問を決めた」という。
「大阪の結果はフォローしています。大阪の状況を見ると、大阪桐蔭と履正社の2強なんだろうと。強烈に意識しているよね? 一方で相手がどう思っているか考えてほしいんだよね。彼らはどう思っているか考えたことある? 僕は愛工大名電で野球をやっていて、愛知4強と言われて。この立場からするとベスト16のチーム、眼中にないです。意識もしていない。相手は相手と思っていない、そこに挑むんだよ。練習でできることは限りがある。基本的なことしかやらないです。どこまでいけば対等にできるのか。練習ではものにできたかもしれない。でもゲームで生かせるかは別。強豪校は強豪校としかやっていない。自分たちがうまくなるレベルのチームと試合をしている。だから(強豪と)差が開いていく。その壁は相当厚い。でも、みんなの情熱を持っていたら、一発勝負なら。初めましてで、ここまで厳しいことを言うのは初めてです。僕も本気で来たと言うことを知っておいて。みんなにとって厳しい人っている? 怖いなとか。面倒くさいとか思う人がいる? いたら幸せなことですよ。そういう人をもっていてほしい」と、厳しい言葉を並べながら約10分かけて選手にあいさつした。
この日は、選手の保護者がグラウンドの脇でお好み焼きを焼いているのを発見。アップの後、焼いている場に来たイチローに選手が「1枚焼いてもらっていいですか?」。イチローは「そのために来たから(笑い)」と応じた。「焼いたことはあるけど久しぶりだからな。丸くするのは全部これ(コテ)で完結? しばらく待つの? ひっくり返す? そのタイミングはセンシティブなんだ」と興味津々。ひっくり返そうとするイチローを選手たちが「お~」とあおり、成功してドヤ顔。裏面の焼き加減を気にしながら「もうちょいかな? これは経験しかないと。箸で(触って)見極める、その感じに似ている。俺こんなことやらされたことないからね(笑い)」。一口食べて「うまい! 実は昨日もいただいて、キャベツのしゃきしゃき感がなかったから野菜が多いとうれしいとリクエストしていた。でも練習前だから以上」と皿を置いてグラウンドに向かった。
2日間で「公立で甲子園に行くのは(1990年の)渋谷以来? それ以来を目指してほしい」「すごくいい練習をしている」「大阪桐蔭に勝つんじゃないの?(笑い)」「監督、コーチより実はマネジャーの方が純粋な変化が分かる。それを見ておいてください。マネジャーの見方って面白くて、ぜひ生かしてください。マネージャーの力が必要なので。その覚悟を持って」と数々の金言を贈った。
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